当院のドックスベストの治療の流れを説明いたします。
まずは、質問です!
Q.虫歯はどこにあるでしょう? | A.正解はこちら! |
このように上からは見えなくても横から虫歯が進行してます。
虫歯の広がりは下に向かって逆三角形に広がるのが特徴です。
それでは治療の流れに移ります。
①検知液を垂らす | ②洗い流す | ③こんな感じになります |
④器具はこちら | ⑤虫歯菌を削ります | ⑥これでOK! |
ドックスベストは虫歯をあまり深く削らない治療方法ですが、 従来通りの保険診療同様、基本的には虫歯に侵された部分を除去すると言う処置を行います。
検知液を使うことで虫歯に侵れた部分が赤く染まりますので、その部位を徹底して削り落としていきます。画像⑤と⑥をご覧ください。
これでは一見、ドックスベストセメントでも保険診療でも良さそうな話に聞こえてきますが、それは違います。
もし虫歯が深かった場合などでも、歯の神経の近くまで削り落としたり、神経を抜かなければ激痛から解放されないといった状態を回避することが出来るのです。
ドックスベストセメントの治療では、ここが保険診療とは異なり、可能な限り画像④で紹介した器具を用いて優しく虫歯部分を取り除くのみです。
イメージとしては耳の垢を取るような感じですね。
⑦消毒薬を塗って | ⑧セメントがこちら | ⑨丁寧に塗っていきます |
⑩仕上がりはこんな感じ | ⑪それから詰め物をして | ⑫インレイで完了♪ |
もし神経の近くまで達していたという場合にも、その手前で止め、画像⑦のように消毒をしてドックスベストセメントを塗布していきます。
これでドックスベストセメントの治療は完了です。
ほとんどの例において、治療のその日に効果がはっきりとわかるケースが多いです。
虫歯の嫌なジ〜んとしみるような症状等が即日で改善されるのです。
~ 歯の神経を保存する大切な考え方について ~
では、なぜ歯の治療で神経を簡単に取らず、保存するほうがいいのか考えてみましょう。
まず、神経をとられた場合の基本的な虫歯治療を写真で説明します。
ほとんど歯が無くなっています | ホールがみえますか? |
*左の画像*
歯がほとんど削られて無くなっている状況が分かると思いますが、このように神経を取ることで大部分の歯がなくなってしまうわけです。
このままでは見た目はもちろん、噛むという機能面においても問題があるために歯に大きな被せ物をする治療が必要となってきます。
*右の画像*
先程からお伝えしているように、保険の治療では徹底して削るため、虫歯が大きいと神経を取った後がこのような形となります。
真ん中にホールが見えると思いますが、ここに土台を入れなければなりません。
土台が必要なのは、歯が割れてしまうリスクを避けるためです。
神経を取り土台の型をとったもの | このような金属土台となります |
土台について皆さん見たことがありましたか?
上の左画像の水色部分が型取りをしたもので、右画像のような金属土台となります。
~ 実際神経を抜いてしまったらどんなリスクがあるの? ~
私の臨床上においてもですが、神経を抜いた歯の歯根破折というものをよく見かけます。
これはとても困ったケースで、そのまま抜歯となってしまうのです。
以下の画像見れますでしょうか?割れてしまっているそれが歯根破折です。
放置することで、口臭の原因ともなるやっかいものです。
神経をとられた歯が全て歯根破折になるわけではありませんが、その可能性を負うことには間違いありません。
そういうわけで、歯の治療はなるべく虫歯を深く削らず、神経まで取らなくてもいいような治療を選択していく事が賢明と考えられているのです。
残念ながら現状の保険治療に用いられる材料で、この「神経を残す」治療法に最適なものがまだまだなく、十分な治療が出来ない状況です。
このページをご覧になって、是非ともドックスベストセメントというもうひとつの選択肢を一人でも多くの方に持っていただけることを願います。